2012年10月16日火曜日

一期一会


幼稚園のアン先生から


 我々幼稚園のクラスが短期間、外国人の園児を受け入れたのは初めてでした。
クラスにはタイ日のハーフの園児がいるものの、
園児とのコミュニケーションは常にタイ語でとっているので、
今回は私も特別に緊張しました。
なぜなら一緒に過ごす1週間は、私も日本来た園児も、当然言葉ではなく
ボディーランゲージによるコミュニケーションをとらざるを得ないからです。
私に与えられた準備の期間はたいへん短く、覚えた言葉は、こんにちは、さようなら、トイレ、ご飯、おやつ、美味しい?ぐらいなもので、
後はボディーランゲージとタイ語しかありませんでした。

すぐに私達が顔を合わせた最初の食事の機会が来ましたが、
Mちゃんは、お兄ちゃん2人とテーブルにつき、一緒にお昼ご飯を食べました。
私達は急いでお昼ご飯と椅子を用意しました。
その時のメニューは、もち米と豚肉のナムトック、豚フライご飯でしたが、
3人とも好き嫌いなく食べることが、私にとっては印象的でした。
おかわりもしていました。

次の日から、Mちゃんは短期間クラスの一因となり、教室で使う道具も用意して持って来ました。
クラスの皆も新しいお友達に興味津々で、興奮気味で、皆はあいさつしたり、
話しかけたりしようとしていました。
そしてまMちゃんの行動を観察していました。
Mちゃんの方は、慣れない文化や言葉、人々だったせいか、おとなしく、
あまり皆とのコミュニケーションには積極的ではありませんでしたが、
皆を良く観察し、何をしたら良いのか分かるように、先生の側に居て、見ていました。

Mちゃんは、自分のことを自分できちんとできる子です。
周りにいる友達の様子や態度を観察して、スムーズに教室の状況に
合わせることができます。
自分のことを良くできるし、好き嫌いなく食べられるし、お昼寝もちゃんとできます。

また、自分のしたいことをきちんと伝えることができる子です。
輪になって、お遊戯やお歌を歌うアクティビティーでも、Mちゃんは一生懸命、
お友達の歌を良く観察して、真似るようにしていました。

しかし、お母さんやお兄ちゃん達と離れて、慣れない外国の人、言葉、
文化の環境のクラスに居ることで、不安や心配になり、泣いてしまい、
教室から数日離れました。

最後の2日間は生活や友達にも慣れてきて、
時々友達や先生に日本語で話すようになりました。
そして笑顔もみられ、表情もリラックスしてきました。
最終日は一緒に記念写真を撮り、Eメールの交換すらしました。
今でも子供達に間では、
外国から私達のところに訪れた小さなお友達の話題が上るのです。

 ヌッチャパウィーゴーン・ディロカパラードーン
飯島ヒロシ訳